リウマチについて
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関節リウマチ
関節リウマチは、手や足の関節の炎症で、軟骨や骨が破壊され、関節が変形する疾患です。こわばり、関節の疼痛や腫れ、全身倦怠感(だるさや疲れやすさ)などの症状があります。関節破壊は発病早期から始まり進行していきます。
関節破壊が起こる前になるべく早く適切な治療を開始することが必要です。
関節(手の指の第2や第3関節、手首など)が左右対称に6週間以上腫れて痛みます。
関節以外の症状としては、皮下結節、全身倦怠感、貧血、間質性肺炎、上胸膜炎、血管炎など。
リウマチは自己免疫疾患です。自分の抗体が自分自身を攻撃するのです。
免疫異常で攻撃を受けた関節は腫れて、そこから炎症性サイトカインという物質をたくさん作ります。
過剰に作られたサイトカインによってさらに炎症が悪化していきます。
異常増殖した関節滑膜によって、軟骨や骨がやられ関節は破壊されていきます。
- 健康な人の関節
- 関節リウマチの人の関節
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初期の状態
免疫の異常により滑膜に炎症が起こり、痛みや腫れが生じる。
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進行した状態
炎症によって厚くなった滑膜が軟骨や骨を破壊する。
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更に進行した状態
骨破壊が進むと軟骨が無くなり、関節を曲げるのが困難になる。
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関節リウマチの原因
すべてにおいて根本的な原因はわかっていませんが、関節リウマチに関しては、免疫機構に異常が生じ、自分の体の成分や組織を細菌やウィルス等の外敵と誤り攻撃し、破壊してしまうのが原因といわれています。
どんな人がかかりやすいのですか?
発症のピークは30~40歳代で、一般的に女性の発症が多いです(男性の5~6倍)。ただし、60歳代から発症する「高齢発症関節リウマチ」に関しては、特に男女の発症率に差はありません。
また、15歳未満で発症する「若年性関節リウマチ」もあり、どんな年齢・性別でも起こりうる病気だといえます。
リウマチの症状
- 朝のこわばり
- 朝起きた時に、手や足を中心に関節を動かすとこわばって動かしにくく感じます。
- 関節の腫れと痛み
- 関節リウマチの関節炎には特徴があります。
- ・手や足の関節などに症状が現れます。
- ・左右対称に炎症が起こります。
- ・同時に3か所以上の関節炎が起こります。
- 骨の変形と破壊
- 関節リウマチが進むと骨が破壊され、筋肉や靭帯が損傷するため、関節が変形します。
リウマチは完治しますか?
かつては、完治しない病気といわれていましたが、バイオ製剤によって、リウマチは治る可能性のある疾患となりました。
関節リウマチの治療法
リウマチの治療法として、薬物療法、リハビリテーション、手術療法などが行われます。
- 薬物療法
- 薬物療法には、痛みと腫れを抑える対症療法と、病気の進行を抑える根本療法があります。
- リハビリテーション
- 関節の運動や筋力増強訓練などを施行します。
- 手術療法
- 滑膜切除術、関節固定術、人工関節置換術、腱移行術など。
日常生活における注意点
十分な睡眠をとり、夜更かしは避けてください。特に疲労感が強い時期は、時間を決めて昼寝もしましょう。特に飲酒はひかえてください。症状が悪化する原因になりかねません。
その他、補助器具の利用、睡眠時は布団ではなくベッドを利用したり、買い物に出かけるときはキャリーカートを利用する等、身体に負担を掛けないように心がけてください。
当院の治療法
リウマチは関節だけでなく身体の様々な部位に影響を及ぼし日常生活に大きな困難をもたらします。
当院では私と、リウマチに精通したリウマチケア看護師がその困難を共有し解決策を見つけるためのパートナーでありたいと考えています。患者さまの症状を和らげ、生活の質を改善するための治療を提供したいと思っております。
リウマチの活動性を臨床症状、血液検査、エコーでみながら、その方に合った治療法を用いて、関節破壊がこないように治療を進めていきます。
免疫異常がリウマチの主たる病態ですので、治療は免疫を抑えるお薬を使うことになります。
関節リウマチの治療目標
- 関節の痛みと腫れを軽減すること
- 異常な免疫状態を抑えること
- 関節破壊・変形を食い止めること
- 日常生活動作(ADL)を改善し生活の質「QOL(quality of life)」を向上させること
1~4 を達成し症状の進行が止まって安定した状態を「寛解」と言いますが、その「寛解」状態を維持するのが目標になります。
関節リウマチの治療目標は「寛解」です。
生物学的製剤(バイオ製剤)の登場でリウマチは治る(寛解する)病気になってきました。
リウマチの薬物治療
リウマチと診断されたら、できるだけ早く適切な薬物治療を始めなければなりません。
消炎鎮痛剤、メソトレキセート、生物学的製剤(※)などを組み合わせて治療を進めていきます。その人に合った最善の治療薬の種類を早く見つけ的確な量を用いることによってリウマチを抑えていきます。関節が破壊される前に的確な治療を早期に始めれば寛解に導くことも可能になってきました。
※生物学的製剤(バイオ製剤)を使用する目安は、抗リウマチ薬を3ヵ月以上使ってもコントロール不良の場合となります。
主な関節リウマチの薬
内服薬
- MTX
- タクロリムス
- サラゾスルファピリジン
- ケアラム
BIO(生物学的製剤)
- エンブレル
- ヒュミラ
- シンポニー
- シムジア
- アクテムラ
- オレンシア
- ケブザラ
BIOシミラー
- アダリムマブBS
- エタネルセプトBS
JAK阻害薬
- オルミエント
- ゼルヤンツ
- スライラフ
- リンヴォック
- ジセレカ
BIOシミラーとは、既に国内で発売されている生物学的製剤(先行バイオ薬品)とは異なる医薬品メーカーで開発された同等の医薬品のことで、別名「バイオ後続品」や「後発バイオ医薬品」と呼ばれています。
BIOシミラーは、先行バイオ薬品と有効成分の構造は全く同じではありませんが、臨床試験・品質試験等で先行バイオ薬品と同等の効果と安全性が証明されています。
BIOシミラーは先行バイオ薬品と同様の技術を用い、厳密な品質管理の中で製造されています。そのため、一般的な医薬品に比べて高額ですが、先行バイオ医薬品に比べてBIOシミラーの方が安価なため、医療費の負担軽減に繋がります。
パラフィン浴
パラフィン浴(温熱療法)を行っています。パラフィン浴は温熱療法のひとつで、関節を温めて血行を向上させ、炎症や痛み、こわばりを抑制します。